拡張フーリエ級数(異なる区間での展開、複素フーリエ級数への導入、周期の変更)
学習目標
この授業では、以下の概念と技能を習得することを目指します: - 任意の区間でのフーリエ級数展開を理解し、計算できる - 複素フーリエ級数展開の概念を理解し、実フーリエ級数との関係を説明できる - 周期の変更によるフーリエ級数の変化を理解し、計算できる
1. 任意の区間でのフーリエ級数展開
1.1 区間の変換
区間 \([a, b)\) で定義された関数 \(f(x)\) のフーリエ級数展開を考える。このとき、変数変換 $$ t = \frac{2\pi}{b-a}(x-a) $$ により、区間 \([0, 2\pi)\) での関数 \(g(t) = f\left(\frac{b-a}{2\pi}t + a\right)\) に変換できる。
1.2 一般の区間でのフーリエ級数
区間 \([a, b)\) で定義された関数 \(f(x)\) のフーリエ級数展開は $$ f(x) \sim \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty} \left(a_n \cos \frac{2n\pi}{b-a}(x-a) + b_n \sin \frac{2n\pi}{b-a}(x-a)\right) $$ ここで、係数は $$ a_n = \frac{2}{b-a} \int_a^b f(x) \cos \frac{2n\pi}{b-a}(x-a) \, dx $$ $$ b_n = \frac{2}{b-a} \int_a^b f(x) \sin \frac{2n\pi}{b-a}(x-a) \, dx $$
2. 複素フーリエ級数
2.1 オイラーの公式
$$ e^{i\theta} = \cos \theta + i \sin \theta $$ を用いて、三角関数を指数関数で表すことができる。
2.2 複素フーリエ級数の定義
区間 \([-\pi, \pi)\) で定義された関数 \(f(x)\) の複素フーリエ級数展開は $$ f(x) \sim \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n e^{inx} $$ ここで、係数は $$ c_n = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} f(x) e^{-inx} \, dx $$
2.3 実フーリエ級数との関係
3. 周期の変更
3.1 周期 \(2L\) のフーリエ級数
区間 \([-L, L)\) で定義された関数 \(f(x)\) のフーリエ級数展開は $$ f(x) \sim \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty} \left(a_n \cos \frac{n\pi x}{L} + b_n \sin \frac{n\pi x}{L}\right) $$ ここで、係数は $$ a_n = \frac{1}{L} \int_{-L}^L f(x) \cos \frac{n\pi x}{L} \, dx $$ $$ b_n = \frac{1}{L} \int_{-L}^L f(x) \sin \frac{n\pi x}{L} \, dx $$
3.2 周期の変更による影響
- 周波数成分の変化
- 係数の大きさの変化
- 収束性への影響
4. 重要ポイントのまとめ
- 任意の区間での展開:
- 変数変換により標準的な区間に変換可能
-
係数の計算式が区間の長さに依存
-
複素フーリエ級数:
- 指数関数による簡潔な表現
- 実フーリエ級数との変換関係
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計算の簡略化に有用
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周期の変更:
- 周波数成分の変化
- 係数の大きさの調整
- 収束性への影響